技術者のプロジェクト
技術者のプロジェクトは ENGI の仕事の骨格です。技術者は自分でプロジェクトを進め、一つひとつの段階が記録され、管理者はチャットや電話から寄せ集めなくても全体像を把握できます。以下では、その仕組みと、この秩序が会社にとって得である理由を説明します。
要点:この仕組みで得られること
- いま誰が何に取りかかっているかが分かる — 部署共通の一枚のボードが即座に更新されます。
- どのプロジェクトにも履歴がある:いつどの段階に達し、具体的に何をしたか。
- 終わった仕事は失われない — 後から書き換えられないアーカイブに移ります。
- 課題は遠隔で設定できる。技術者にはメールで通知が届きます。
- 権限は分かれている:閲覧、自分の仕事の管理、他人への課題設定は別々の役割です。
技術者はどうプロジェクトを進めるか
技術者にはそれぞれ専用のプロジェクトページがあります。プロジェクトは三つの項目で表します。
| プロジェクト | 課題 | % |
|---|---|---|
| 現場または作業の名称 | 具体的に何を行っているか | 進捗:5 / 25 / 50 / 75 / 100 |
プロジェクトの数に制限はありません。技術者はふつう複数の現場を同時に担当します。新しいプロジェクトは 5 % から始まります。作業はまだ始まったばかりだからです。
進捗は一段ずつ上がる
段階は五つ:5 % → 25 % → 50 % → 75 % → 100 %。飛ばすことはできません。5 % からは 25 % にしか進めず、25 % からは 50 % にしか進めません。そして各段階で技術者は具体的に何を終えたのかを書く必要があります。
これが仕組み全体の要となる規則です。これがなければ報告は「100 % 完了」の一行に縮み、そこからは何も分かりません。この規則があるからこそ、どのプロジェクトにも読める年代記が残ります。どの段階で何を成し、それがいつだったのか。
プロジェクト名を変更できるのは 5 % のあいだだけです。その後は名称が固定されます。段階の履歴がすでにその名称と結びついているため、改名すると報告は一方のプロジェクトを、履歴はもう一方を指すことになります。同じ理由から、削除できるのは着手前のプロジェクトだけです。それ以降はすでに記録の一部です。
アーカイブ:100 % で終わり
プロジェクトが 100 % に達すると、アーカイブへ移すことが提案されます。そのときもう変更も復元もできないと明確に警告されます。アーカイブにはすべてが残ります。説明、すべての段階、すべてのコメントです。
アーカイブは意図的に不可逆にしてあります。そこから何かを取り除いたり手を入れたりできるなら、顧客に対しても、係争の検討時にも、何も証明できなくなるからです。技術者は自分のアーカイブを全部見られますが、閲覧のみです。
稼働状況ボード
共通ボードには全技術者が五十音順(アルファベット順)に並び、各行にその人のプロジェクト(名称・課題・進捗)が表示されます。隣には二つの列があります。稼働状況(色付きの丸 — 手一杯、一部空き、空き、不在)と、不在の場合の出社予定時刻です。
ボードは事務所の共用画面を想定しています。ページを再読み込みしなくても自動で更新され、接続状態も表示されるため、モニターに近づけば生きているのか黙っているのかがすぐ分かります。一行には五件のプロジェクトが収まり、技術者を選ぶとその人の全プロジェクトのページが開きます。
管理者にとっての価値
経営者にとって
- 「部署は今なにをしているか」の答えが十秒で得られる。一日かけて電話をかける必要はありません。
- 結果だけでなく動きが見える。 三週間 25 % のまま止まっているプロジェクトはすぐ目につきます。事後ではなく、間に合ううちに手を打てます。
- 顧客との話にそのまま使える履歴。 いつ着手し、各段階で何を行い、いつ終えたか — 日付と担当者つきで。
- 事実にもとづく計画。 誰が手一杯で誰に余力があるかが、納期が崩れる前に分かります。
管理部門と主任技術者にとって
- 課題は遠隔で設定できる — 自宅からでも、出張先からでも、携帯からでも。
- コメントは特定の段階に結びつく:指摘は、それが関係する割合のところに正確に表示されます。
- メール通知 — 技術者は新しい課題をすぐに知ります。一週間後の会議ではありません。
- 技術者ごとの一覧:抱えている件数、平均進捗、すでにアーカイブに入ったもの。
技術者自身にとって
- 仕事が見える。やったことは記録され、賞与の時期に忘れられることがありません。
- 邪魔が減る:状況はボードにあるので、「どうなっている?」と聞く必要がありません。
- 求められていることが明確:課題も指摘も口頭ではなく文字で残ります。
遠隔での課題設定
主任技術者(または相応の権限を持つ社員)が課題設定のページを開き、一覧から技術者を選ぶと、その人の全プロジェクトと段階の履歴がすべて表示されます。そこから次のことができます。
- 新しい課題を設定する — 「プロジェクト」と「課題」、加えて条件や期限を書き、それらはプロジェクトの履歴に残ります。課題は 5 % から始まり、その後は技術者自身が各段階を説明しながら進捗を上げます。
- 段階にコメントする — 特定のプロジェクトの特定の割合に結びつく指摘です。
- メールで通知する — どちらのボタンの横にもチェックボックスがあります。プロジェクト名・割合・本文が技術者に届きます。
メールは記録の保存に意図的に影響しません。課題もコメントもいずれにせよ保存され、送信に失敗した場合は送信者に別のメッセージで直ちに知らされます。ここで黙って失われるものはありません。
アクセス権限
権限は二層構造です。基本の役割に加えて、その上に個別の権限を付与します。そのため同じ人物が、自分のプロジェクトは進めつつ他人の設定には触れない、という状態にできます。
| 役割 / 権限 | できること |
|---|---|
| 技術者 | 自分のプロジェクトを進め、各段階を説明しながら進捗を上げ、完了分をアーカイブへ移し、ボードと同僚の一覧を閲覧 |
| M9 — 課題設定 | どの技術者にも課題を設定、段階へのコメント、メール通知、ボード上の他人の記録の編集、共通一覧からの技術者の非表示 |
| 管理者 | 上記すべてに加え、ボードの表示設定、役割と権限の付与、利用者の管理 |
さらに細かい表示設定が二つあります。ボードの記録は非表示にできます(本人と管理層だけが見られます)し、ボードから完全に外すこともできます。その場合もプロジェクトと履歴はそのまま残り、消えるのは行だけです。技術者を共通の一覧から隠して、同僚に作業内容を見せないようにすることもできます。
「以前のやり方」より優れている理由
| 以前 | 現在 |
|---|---|
| 状況は電話やチャットで聞く | 共通ボードに表示され、自動で更新される |
| 「もうすぐ終わります」— それが三週間続く | 説明つきの段階:実際に何をしたかが見える |
| 仕事の経緯は担当者の記憶の中 | 経緯は会社のものとして残り、退職後も失われない |
| 課題は口頭で伝える | 課題は文字で残り、通知も送信済み |
| 終えた仕事が散逸する | 書き換えられないアーカイブ |
本当の価値は報告そのものではなく、仕事についての知識が個人のものでなくなることにあります。休暇に入る、病気になる、転職する — それでもプロジェクトと段階、やり取りは会社に残り、誰でも引き継げます。
作業の流れ(要約)
- 技術者のためにボードの記録を作り、本人がプロジェクトを登録します(あるいは主任技術者が課題を設定します)。
- 作業が進み、進捗が一段ずつ上がり、各段階が記述されます。
- 管理者はボードと一覧を見て、必要に応じて段階にコメントするか、メール通知つきで新しい課題を設定します。
- プロジェクトが 100 % に到達 — アーカイブへ移り、確定した成果として永続的に残ります。
